グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



Home >  在宅診療の教科書 >  「まだ通えている人」こそ、在宅医療を考えてほしい理由

「まだ通えている人」こそ、在宅医療を考えてほしい理由


「訪問診療って、まだ早いですよね」

在宅医療の現場で、本当によく聞く言葉です。

でも実際には、「まだ通えているうち」に始めた方が、上手くいくケースが少なくありませn。

今回のケアマネジャー向け勉強会では、「訪問診療は、最期の医療ではなく、“生活を崩さないための医療”である」というテーマについてお話ししました。

▷▷▷ケアマネジャー向け勉強会についての詳細はこちら

「通院できている」は、本当に大丈夫?

病院へ通えていると、「まだ元気だから大丈夫」と思われることがあります。

ですが、在宅医療の視点では、少し違います。

例えば…
  • 病院へ行くだけで1日が終わる
  • 家族が毎日仕事を休んでいる
  • タクシー代が積み重なっている
  • 待ち時間でぐったりしてしまう
  • 認知症があり説明が理解しづらい

こうした「見えない負担」は、実はかなり大きいのです。

「通えている」のではなく、「何とか頑張って通っている」状態になっている方も少なくありません。

入院を繰り返すと、一気に生活が変わる

在宅医療の現場では、肺炎・心不全・脱水・骨折…などをきっかけに、急激に生活が変わってしまう場合を多く見ます。

昨日まで歩けていた人が、入院後に急に動けなくなる。

退院した時には、「もう元の生活には戻れない」ということもあります。

だからこそ、「倒れてから考える」のではなく、その前から支えていくことが大切なのです。

訪問診療は、「家に来る病院」ではない

訪問診療というと、「病院の代わりに家へ来る」イメージを持たれることがあります。
もちろん、それも間違いではありません。

ですが、私たちが本当に大切にしているのは、“生活そのものを見る”ことです。

  • ご飯は食べられているか
  • 薬はきちんと飲めているか
  • 家族は疲弊していないか
  • 転倒しやすい環境になっていないか
  • この先、どんな暮らしを望んでいるか

病気だけではなく、「その人の暮らし」を診る。それが在宅医療です。

「もっと早く相談すればよかった」

これは、ご家族から本当によく聞く言葉です。

限界まで頑張って、ギリギリになってから繋がるケースは少なくありません。

でも、本当は…

  • 少し通院が大変になってきた
  • 転ぶことが増えた
  • 家族の負担が増えてきた

その段階から関われると、できることはたくさんあります。

私たちが目指している在宅医療

在宅医療は、「家で最期を迎えるため」だけのものではありません。
その人が、その人らしく生活を続けるための医療です。

だから私たちは、「もう無理だから呼ぶ」ではなく、「少し気になってきたから相談してみる」そんな在宅医療を目指しています。

病気を診るだけではなく、生活を支える。

そして、ご本人も、ご家族も、“少し安心して暮らせる時間”を増やしていく。

それが、私たちの考える在宅医療です。
※今回のコラムは2026年5月20日に開催された勉強会にて、理事長内田が話した内容をコラム用に修正・加筆したものです。